妻の「あんなに楽しみにしていたサイコブレイク、どう?楽しい?」という問いかけに私は、
「うーん・・・」
と、素直に首を縦に振ることができませんでした。
第3話。
意気込みは買う。しかし・・・
このブログを始めるきっかけとなったサイコブレイク。
非常に期待していました。
それはもう借金してPS4を買ってしまうほどに。
発売前から「ローディングが長いらしい」というプレーヤーにとってわりと致命的になりかねないネガティブな要素は指摘されていましたが、きっと製品版では改善されているだろうと思っていました。
そしてそんなことが気にならないくらい没頭してしまうゲームであるに違いない!と期待に胸を膨らませていました。
そして購入し、いざプレイ開始!
全体のテイストは海外ゲーム的な雰囲気である一方、メニュー周りなどが非常に丁寧に作られており、「日本人にしかできないゲームで世界に挑戦しているのだな」という意気込みをヒシヒシと感じられたのはとても嬉しかったです。
この点は今でも私がタンゴゲームワークスを高く評価している要因の一つですね。
そして大手ゲーム会社のような非常に美麗なCGというわけではないが、とにかくこだわって作ったのだろうという意気込みが伝わってくる背景、キャラデザイン、アイテム、そして音の演出にも好感が湧き、ゲームであるにも関わらずそこかしこに職人魂を感じることができるのはサイコブレイクの大きな魅力です。
心を奪われるようなシーンもたくさんあり、一種の芸術作品のようなゲームだと言えます。
しかし、いかんせんストーリーがさっぱり分からないというかプレーしている我々の置いてかれっぷりがかなり強い。
場面がコロコロ変わるので何が起こっているのか理解できない。
そして弾が足りない上にとてもよく死ぬので心が折れる。
そして前評判通りローディングがやはり長い。
以上の要素が序盤から私を苦しめ、わりと早い段階から正直プレーを続けるのがしんどくなっていました。
ちなみにうちの妻はゲームをすることはありませんが、趣味に没頭するという思考には理解と敬意を示してくれる人です。
なので以前から私がゲームをしている所を傍目から眺める機会が多いわけですね。
妻曰く、「横で見ていると夫が面白いと思ってゲームをしているかが分かる」そうです。
たとえばPS3のアンチャーテッドシリーズやラストオブアス、バイオハザードをプレイしている時はとても面白そうにプレイしているのだとか。
しかしその反面面白くないなと思っているゲームをプレイしている時は「とにかく眠そうにしている。ていうかホントに寝てたりする。」のだそうです。
ていうか実際ホントに寝たりしてます。
そして傍目から見ていてサイコブレイクをプレイしている時の私はどうも面白くないゲームの時の反応だなと判断し、
「面白い?」
と聞いてきたわけです。
そしてその読み通り、私はその時正直やや苦痛を感じながらゲームをプレイしていたのは否めません。
何かプレイしていても頭にモヤがかかっているかのように内容が伝わってこない。
熱意は伝わってくるんだ!しかし悔しいことになぜだか好きになりたいのに好きになることができないのだ!
しかしクリアまできっちり記事を書かなくては!
書ききった上でタンゴゲームワークスさんに正直な自分の感想を伝えなくては!
という一種の執念にも似た思いで脇目もふらずゲームと記事更新を続けるおっさん。
発売当時、Yahoo!検索で「サイコブレイク ネタバレ」と入力すると数ページに渡ってバイオっさんの記事が検索結果を陵辱するという怪現象が起こっていたのも今ではいい思い出です。
しかし偶然ではなく、そうなることは確信していました。
なぜならばそうなることを見越してこれまで必死に記事を更新し続け、種まきをしていたのですから。
そして私以外にはファミ通さんを覗いて誰一人サイコブレイクを追いかけるサイトなどありませんでした。
よって発売日にアクセスが集中する、つまりこれが自分の思い描いていた結果になることは明白だったと言えます。
というか「絶対にそうしてやる」と常に思っていたので私の中では「やった!ラッキー!」ではなく、あくまで「当たり前のことをしただけ」という認識でした。
この「自分で思い描いた結果を信じて全力をかけ、その通りの結果が出た」という実績は、これまで自分で物事を決断する自信のなかった私にとって、自分の決断に自信を持つきっかけとなるとても大きなターニングポイントになりました。
その栄えある第一歩をサイコブレイクの発売日に踏み出すことができた。
そういった意味でもサイコブレイクは私にとって特別な作品だったと言えます。
借りは返す
記事を書きながらゲームをしていたので、まだクリアしない内に他のプレーヤー達はどんどんクリアしていなくなってしまいました。
発売してしまえば以前ほどの盛り上がりもなく、気づけばツイッター上でもサイコブレイクについて語る人はだいぶ少なくなっていました。
このゲームの評価についてもあまり芳しくなく、良い意見もありましたが、当時はどちらかというとネガティブな反応の方が強かったように思えます。
内心そうなってしまうのも分かるなーと思いつつも、
「決してクソゲーなどではない!素材もアイデアも情熱もとても良い物を揃えていたんだ!何かが惜しくも残念だっただけなんだ!」という悔しさというか無念のような感情を持ち続けながら当時の私は攻略日記を書き続けていました。
そう、全ては速くクリアして精一杯の思いをタンゴゲームワークスにぶつけるために。