今回はPS4版サイコブレイクをクリアしての感想や評価などについて書いていきます。
友人がPS3版をプレイしていますのでそちらの様子も合わせてご紹介します!
個人的にサイコブレイクの良かった所と悪かった所をまとめてみました。
■サイコブレイクの良かった所
・クリエイターのこだわりを強く感じる映像と音楽の美しさ!
タンゴゲームワークスの記念すべき第一作目として発売されたサイコブレイク。
おそらく開発は二年程度かかっていたのではないかと思います。
そしてその二年間、クリエイター側はたくさんのアイディアを出しては削り、残ったものを一生懸命磨き上げてきたのでしょう。
そんなクリエイター側のこだわりが随所に垣間見れたのが良かったです。
全体を通して強く感じたことは「サイコブレイクはアート作品だ」ということ。
まずははじめに話さなければならないのは何と言ってもグラフィック。
サイコブレイク最大の魅力はその映像美にあったと言っても過言ではないでしょう!
これは序盤で私の好きだったシーンの一つです。
サイコブレイクの最大の魅力は何と言ってもその圧倒的な映像へのこだわりでしょう!
確かにグラフィックのクオリティ自体はPS3のゲーム程度のものでしたが、そんなことよりも演出が素晴らしかった!
光と影の演出が他のゲームにはない美しさを出しており、そこにクリエイターの「絶対妥協しない!」という日本人ならではの細部への繊細なこだわりをとても感じました。
そのこまかなこだわりは家に絡まっているツタ一つとってみても感じることができました。
タンゴには芸術家肌の人がたくさんいるのでしょう。
以下にお気に入りの画像をまとめます(全てPS4で撮影)
↑かなりお気に入り
とても美しい表現で思わず見とれたところもありました。
ディレクター三上氏は「夢を見ているような雰囲気と支離滅裂さを表現できたら面白いのでは」という発想でこのゲームを作ったそうですが、夢の様な靄がかったなんとも言えない雰囲気は伝わってきたと思います。
個人的には特にセーブルームの雰囲気が夢っぽい感じがして好きでした。
各種アイコンやUI(ユーザーインターフェイス)が分かりやすかったのは有難かったです。
結構世の中説明が不親切なゲームが多いですからね。しかも最近では説明書が付いてなかったりしますから尚更です。
気を使ったのだろうな~と感じましたね。
そして音楽。
音楽はゲーム中そこまで目立ったりはしません。あくまでゲーム内の環境音として存在していなかればならないからです。
ですがBGMをサントラで聴いてみたところ非常に出来がいいのです。
ゲーム内の演出を盛り上げるような心配りを感じる名曲が多かったと思います。
SEも爽快感があったと思います。
あとやや関係ないですがジョセフ・オダがカッコ良かったです。
でもあの子最後死んじゃうんだよね・・・。
■サイコブレイクの悪かった所
あえて言いますが、サイコブレイクには悪いところの方が多いです。
正直ゲーム終盤のことになると少し「早く終わらせたい」という作業感でプレイしていた所があります。
さて、それはなぜなんでしょうか。
・リスタート時のローディング時間が長すぎる
まず第一にこれでしょうね。
サイコブレイクはファミコンさながらの死にやすさが特徴となっています。
基本的に主人公は弱く序盤でも敵に囲まれると死にます。
そして画面の上下に黒帯があり、カメラ位置が主人公にかなり近いので画面が見にくく、罠に気づきにくいです。つまりよく死にます。
まあ他にも慢性的に弾が足りなかったりと色々あるのですが、それ自体は良いと思います。
しかし、一度死ぬと再スタートまでにPS4版でさえ13~14秒ほどかかってしまいます。
これがこのゲームのテンポを悪くしている一番の原因だと私は思っています。
すぐ死ぬ → 再スタートに13~14秒 → 再スタート(1分前後) → 最初に戻る
このループが頻繁に発生し、段々ロード時間自体が苦痛になってきます。
そのせいでなんとなく「なんか面倒くさくなってきたから2周目はやらないかもな~」と思い始めてきてしまいます。
元々よく死ぬゲームであることは発売前から知っていましたが、最初から死にゲーなのであればせめてローディングは無し、もしくは4秒程度に抑えて欲しかった!
これが残念で仕方なかったです。
ちなみに知人はPS3版をプレイしていますが、そっちは再スタートまでに20秒以上待たされると言っていました。
そこら辺がどうしてもラストオブアスなんかと比べられてしまいますよね。
サードパーティーの厳しさといったところなんでしょうか。
プラチナゲームズの「ベヨネッタ」もPS3版はゲーム自体は独創的で面白かったのですが、読み込みが遅くてかなりストレスでしたからね。
次回作では改善されることを切に願います。
・感情移入できない一方的なストーリー展開
「夢の中で起こっているようなことをゲームで表現できたら面白いのではないか」という三上Dの考え通り、夢の中のようなモヤがかった雰囲気はよく出せていたと思います。
しかしどうもそのモヤがかった雰囲気がいけなかったのか、ストーリーが頭に入ってきません。
そしてそのうちストーリーから自分がないがしろにされている気がしてきます。
つまり自分を置いてけぼりにして勝手に大きなストーリーが進んでいく感覚が強くなってきてしまいました。
なにか遠くで物事が起こっているような・・・。
簡単に言うと「ストーリーが淡白」です。
終始「え?何があったの?」という展開。
最後まで明確な答えを出さずに終わりますが、正直先述のロード時間と相まってあまり深く追う気が無くなってしまいました。
これも非常に残念でした。
主人公やジョセフ、ルヴィクなど魅力的なキャラがたくさんいただけに尚更残念です。
この「置いてけぼり感」、実はプラチナゲームズの「ヴァンキッシュ」でも全く同じ感覚を味わった覚えがあります。
何か遠くで物事が起こっていていまいち臨場感が湧かないんですよね~。
良い材料がふんだんに揃っていただけにここは非常に残念だったと言えます。
・もっとユーザビリティーを大切にして欲しかった
製作者側の「シビアでスリリングなサバイバルホラーにしたい!」という気持ちはとても伝わりましたし、そういうニッチな所を突いていく姿勢はこれからも進めてほしいと思っています。
しかし、しかしですよ?今回のはちょっと爽快感がなさすぎる気がします。
もう少し弾が余ってもいいのではないでしょうか・・・。
本当にこれは積み重ね式のストレスなんですが、
ロード長い+視界が悪い+慢性的な弾不足のトリプルパンチでやる気がなくなってしまいました。
せめてクリア特典でロケットランチャーでもいいから一つくらい弾無限があっても良かったと思います。
個人的にはダンジョン内をゆっくり探索したかったのですが、どうにも今回のゲームバランスでは不可能でしたので。
せっかくなのでもっとバランスブレイカーな武器があっても良かったんじゃないかと個人的には思っています。
■総合的なレビューは?
あえて辛辣な表現をさせてもらいますが、
「良い材料が揃っていたのに味付けを失敗した料理のようなゲームだった」
というのがサイコブレイクの評価です。
魅力的なデザイン、独創的なアイディアなど良い材料が揃っていましたし発売前はとてもその世界観にワクワクさせられました。
実際にプレイし、海外ゲームにも負けない発想力と日本人ならではのきめの細かさに感動しました。
しかしこれだけあっけなく死んでしまうゲームバランスと長いローディング、そしてなんとも臨場感に欠ける演出にテンションが下がってしまい最終的には「良作になりきれなかった佳作」という評価に私の中ではなってしまいました。
非常に残念です。
これまで厳しいことを書き連ねてきましたが、これらは全て今後もタンゴゲームワークスにゲーム業界の第一線で活躍してほしいからこそ書いてきました。
このご時世に新しくゲーム会社を立ち上げ新しい試みを続ける姿勢はこれからも持ち続けて欲しいです。
次回作も必ず買いますので、次回はもっと楽しめるゲームをお願いします!
だいぶ長くなりましたが以上でサイコブレイクのレビューを終わります。
ちなみに現在PS4版のサイコブレイクがかなりお安くなっているようです!
というかPS3版より安い!