押切蓮介「ピコピコ少年SUPER」最終話(第9話)ネタバレ感想 ハイスコアガール事件で不憫なのになぜか笑え、そして感動した!
「ハイスコアガール事件」で苦しい思いをしている押切蓮介先生。
なんとネット漫画ピコピコ少年SUPERにて大変不憫な近況を描いており、現在ページにアクセス出来ない状態となっています。
幸いにも私は読むことができたので、ネタバレを含むピコピコ少年SUPER最終話(第9話)の感想などを書いていきます。
ハイスコアガールをまだ知らない方はこちらの記事も合わせてどうぞ。
・あまりに不憫過ぎる押切先生の近況とは
押切先生がWEB上で連載中の漫画ピコピコ少年SUPER。
作者自身がゲームに関する過去に経験したエピソードを描いていくだけの漫画です。
最新話は2/1までこのページから見ることができます。
ただの体験談を描いただけではさして面白くならなさそうですがこの人はひと味違います。
まずかなりのゲーマーです。そんじょそこらのゲーマーとは比べ物にならないくらいのやりこみタイプです。
その時点で「この人ホントゲーム好きなんだな~」と関心させられますが、この漫画の魅力はそれだけではありません。
この漫画最大の魅力、それは押切先生自身の描き方にあります。
何の変哲もない駄菓子屋でお菓子を食べるシーンやゲームセンターでゲームをプレイしているシーンが非常にイキイキと描かれています。
昔同じような経験をした人にとってまるでタイムスリップしたかのような気持ちにさせてくれる漫画を押切先生は描くのです。
よくここまで昔の話を今起こっていることのように描けるなと関心させられてしまいます。
この方の描く漫画にはどこか懐かしさと寂しさのようなものが感じられます。
そのなんともいえないノスタルジー感が高く評価されていると私は思います。
さて話は戻って最終話。
前回第8話で担当編集者と共に自分の故郷を徘徊した押切先生。
行く先々が自身の漫画に出てきた場所なため、編集たちにドヤ顔で「あそこはこうだった!ここは昔こうだった!」と聞かれてもいないのに説明しまくり調子に乗っていました。
これまで多くのゲームに助けられてきた自身の過去を振り返り、「ゲームに恩返しが出来て幸せだ」と幸せっぷりをしみじみ感じていました。
「しかしその調子に乗っていたバチが当たってしまったのかもしれない・・・」というような文章で前回は締めくくられます。
その時点で多くの読者は「ああ、ついにハイスコアガール事件の話に突っ込むんだなー」と気づいたはずです。
そして最終話。
冒頭から先生は自らを糞袋と名乗り、四六時中布団に包まり完全な無気力状態だと話します。
PS3やXBOX360などをやれば強制的にネットに繋がってしまい、知人などに「押切はこんな状態なのにゲームなんかやっているぞ」と思われてしまうかもしれない・・・。
そんな風に考えてしまうと大好きなゲームも出来ずまた糞袋状態に。
今度は「仕事をして忘れよう」と考えパソコンの電源を入れようとするもまさかの故障で電源が入らない状態に。
さすがの糞袋もここで発狂します。
しかし親友の山田に相談したところ、現在の押切先生の不憫な状態に居ても立ってもいられずなんと深夜なのにタクシーを飛ばして家まで来てくれました。
「これまで漫画上でさんざんネタに扱ってきた山田が自分のピンチになりふり構わず助けに来てくれた。」
もう彼のことは悪く描けないなと思うのでした。
そしてパソコンを修理した後、山田は押切先生の部屋にあった未開封のPS4とXBOX ONEを発見。
山田は先生に「何故開けない」と訪ねます。
すると先生は「これは一連の問題が落ち着いたら自分へのご褒美にする。それまで開けないでおこうと考えている。」と答えます。
しかし何も出来ずに不憫な状況に追い込まれている先生に山田は一言
「開けてしまえ!」
と開封を促します。
その言葉に心を動かされた先生は修羅のような形相でPS4を開封して遊びまくり「またゲームに救われた」と思うのでした。
・ピコピコ少年SUPER最終話の感想
ゲームを扱った仕事をするとゲームがただの娯楽で無くなってしまう所はあると思います。
しかも最近ではオンライン環境が当然の如くついて回るので、ゲーム大好きの押切先生はさぞかしつらい思いをしているんだろうと考えると同情せずにはいられません。
ですがそんな辛い近況もなぜか押切先生特有のセンスで笑えてしまうのだからこの人は本当に凄い。
自虐的なシーンをこんなに面白く描ける漫画家はそういないのではないかと思います。
これまで「ピコピコ少年」「ピコピコ少年TURBO」と買ってきた私ですが2月5日発売の「ピコピコ少年SUPER」ももちろん購入します。
そして一日も早い先生のハイスコアガール連載復帰を祈りながら楽しく読ませていただきます。
最後まで笑って感動させてくれるいい漫画でした。
山田さんホントカッコイイですね。こんな友人が私も欲しいです。