前回に引き続きPS4版バイオハザードHDリマスター パッケージ版についてレビューします。
前回記事を未読の方はこちらをどうぞ。
今回はPS4で撮影したゲーム中のグラフィックも使用して解説していきます。
・PS3版バイオHDリマスターとの違いとは?
2014年11月に先行発売されたPS3版バイオHDとの違いについて書いていきます。
まずゲームディスクの有無。
PS3版にはゲームディスクがありますがPS4版はゲームディスクが存在しません。
前回記事でも触れましたがPS4版はダウンロード専用となっています。
つまりゲーム店など店頭でPS4版を買うことはできないということになります。
カプコンはバイオハザードリベレーションズ2の販売戦略もそうですが今後ダウンロード販売に力を入れていくようですね。
ダウンロード販売だとゲームクリアしてもゲーム屋に売ることができません。
そこを狙っているのでしょうか。
ちなみに今回私が買ったサントラCD付きパッケージは数量限定品です。
Amazonではそもそも取り扱っていませんが大手家電店などではまだあるかもしれません。
昨日サントラを途中まで聴いてみましたがこれ、予想以上に出来がいいです。
正直感動しました。
やはりリメイクバイオの音楽は秀逸ですね。買ってよかった。
もう一つの大きな違い。これが一番メインになると思います。
それは解像度。
PS3版の解像度は720pなのに対しPS4版は1080pです。
簡単に言ってしまえばPS4版のほうがすごく綺麗だということです。
カプコンによればPS4に合わせグラフィックを作ったとのこと。
PS3版でも十分綺麗だがそれ以上に綺麗になった上販売価格が安いのであれば文句の付けようがありませんね。
そしてPS4では私のようなゲームレビュアーに嬉しい画面のスナップショットや録画ができるという利点も忘れてはいけません。
キャプチャーボード無しで画面を取り込めるのは素直に嬉しいところですね。
・GC版とPS4版の違いとは?
私はリメイクバイオハザードをやりたいがために2002年3月GC(ゲームキューブ)を購入しました。
現在手元にはありませんが当時の記憶を頼りに書いていきます。
さすがPS4版はHDリマスターというだけあって背景やキャラクターの造形が鮮明になっています。
これは間違いないです。
ですがPS4はテキストの輪郭がややギザギザしている気がします。
PS4版のタイトル画面はこちら。
見えにくい方は画像をクリックして拡大した状態でご覧ください。
背景はまろやかな印象ですが「LOAD GAME」「NEW GAME」などの選択肢テキストがギザギザしてやや背景の雰囲気と合っていない気がします。
これは以前プレイしていたPS4版メトロ2033をプレイしている時も感じていました。
どうもPS4はテキストのフォントにアクが強すぎて背景から浮いてしまう傾向があるように思います。
ちなみにGC版はPS4より随分昔のゲームハードですので全体的に解像度は低いです。
しかしテキストが背景から浮くという現象は起こっていませんでした。
もしかしたら背景をGC版から流用した場合に解像度の違いで現象が起こるのかなと考えたりしています。
例えばこの画面。
ゲームを始める前に流れるムービーです。
このムービーを観た時「何かボヤけているな~」という違和感を覚えました。
それは恐らくこの場面がGC版から流用したものだからです。
こんな感じで当時のデータと現代のデータを重ねあわせた時に違和感のようなものが発生するのでしょう。
ですがそれに気づくのはGC版やWii版をプレイしたことのある人ぐらいなものでしょう。
基本的には気にしなくて構わないと思います。
それとコントローラーのボタン設定が違います。
PS4版(PS3版も)昔の操作方法に準じたタイプが選べるとありますが実際は選べません。
なぜなら武器を構えるボタンが昔と違うからです。
GC版ではRトリガー(PSでいうところのR1かR2)で構えAボタン(□ボタン)で撃つというタイプでした。
しかしHDをリマスター版ではL1で構えR1で撃つという最近のシュータータイプに近い操作方法となっています。
個人的にはここも原作に準じて欲しかったなと思いました。
シュータータイプのゲームではなく、あくまでリメイクバイオはサバイバルホラーゲームだと私は考えていますからね。
それとPS4版は背景とキャラとの解像度に差があるように見えました。
以下に画像を貼ります。
静止画だと分かりにくいですね。
ですが動かしている個人的主観ではキャラの解像度の方が背景より鮮明に描かれている気がします。
この辺りもGC版からデータを移植した時に発生する画質のズレなのでしょうか。
元々どちらも綺麗なのでこの差も微々たるものですが。
あと細かいですがバイオHD版ではなぜかジルの胸が揺れます。
ゲームシステムとは全く関係のない追加要素ですね。
ですがこれは個人的に「うーん?」と思ってしまいました。
言ってみればこれはユーザーに対し媚びを売っているということ。
元々ストイックさがリメイクバイオ最大の売りなのに、それを謎のお色気要素で消してしまうのは如何なものかと思います。
BSAAコスチュームの追加については良いと思いますが、このお色気要素は正直改悪だったなと思います。
開発側(というかおそらくカプコンのお偉いさん方)の「こうすればユーザーは喜ぶんだろう?」というユーザーを舐めた態度が見えました。
そんなにリメイクバイオの売れ行きが心配だったのでしょうか。
残念です。
・PS4版バイオHDは買いか?
「PS4版バイオハザードHDリマスターは買いか」と聞かれたら私は「買いだ」と答えます。
なんだかんだ書きましたがPS3版・PS4版共にバイオHDリマスターは発売当初から非常に評判が良いです。
それは原作に出来る限り忠実にHDリマスター化したことにあります。
初代PS版バイオ1もそうですが、狭くて暗い所をギリギリのアイテム数で進むという緊張感、そして何より大作アクションではなくB級ホラーであるという位置づけこそがバイオハザード本来の魅力だからです。
カプコンの看板タイトルとなってしまった今のバイオハザードシリーズには二度とこのようなゲームは作れないでしょう。
GC版リメイクバイオが発売されたのが2002年。
Wii版はともかく、なぜこれまで長い間移植されなかったのか。
その理由は簡単です。
技術的な問題で移植出来なかったから。
リメイクバイオは任天堂とカプコンの開発チームがタッグを組んで他のゲームハードには真似できない独自技術を結集して作り上げた作品だからです。
現在もこの技術を忠実に再現することは難しいそうなので、厳密にいうと今回のHDリマスターも移植というよりは作り直しといったところでしょう。
ですが名作は名作。
未プレイの方にはぜひこの作品をプレイしてもらい、「バイオハザードってこんなに面白かったんだ!」と思って欲しいです。
また低価格なので、まだゲーム数が少ないPS4を持っている方にもぜひプレイしてもらいたいゲームです。
名作は今なお色褪せないのです。